「暗号資産のホワイトリストって何?」
暗号資産について調べているとホワイトリストという単語を聞くことがあるのではないでしょうか?
そこで今回はホワイトリストとは一体何なのか、ホワイトリストが暗号資産市場にどのような影響をあたえるのかをまとめてみました。
暗号資産のホワイトリストとは
暗号資産のホワイトリストとは特別に単語として認められているわけではなく、造語の1つです。
金融庁によって認められた「登録業者の扱っている暗号資産」が「ホワイトリスト入りしたコイン」と呼ばれています。
暗号資産の種類は数千種以上にも及び、膨大な種類の暗号資産がありますが、すべての銘柄が今後も世間で取り扱われていくとは限りません。中には詐欺目的で作られた暗号資産もあれば、実需性の薄い仮想通貨もありますので、突然価値が0になることも珍しくないのです。
ただ金融庁が取引業者を登録業者として認めたということは、登録業者の扱っている暗号資産は、他の銘柄に比べて安全性が高いと言っても過言ではありません。
そういう意味では、暗号資産の投資を始めるのであれば、金融庁が登録業者として認めている取引所のみで取引をしていくのが1つのリスクヘッジになると言えるでしょう。
金融庁が認可しているコイン銘柄と取引所の一覧
登録業者が取り扱っている暗号資産をホワイトリスト入りしたとして考えると、現在ホワイトリスト入りした暗号資産の銘柄は全20種あります。
【ホワイトリスト入りしている銘柄(2018年現在)】
- ビットコイン(BTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアム(ETH)
- ライトコイン(LTC)
- モナコイン(MONA)
- リップル(XRP)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- ネム(XEM)
- カウンターパーティー(XCP)
- フィスココイン(FSCC)
- カイカコイン(CICC)
- ネクスコイン(NCXC)
- ザイフ(ZAIF)
- ビットクリスタル(BCY)
- ストレージコインエックス(SJCX)
- ぺぺキャッシュ(PEPECASH)
- ゼン(Zen)
- コムサ(CMS)
- キャッシュ(QASH)
- リスク(LSK)
登録業者の中でも、最も取扱が多いのはビットコインです。次にイーサリアムが続き、ビットコインキャッシュやリップルなどのメジャーなアルトコインが続いています。
次に金融庁が認可している取引所についてまとめてみました。2018年現在は16の会社が登録業者として運営しています。
【金融庁に認められた登録業者(2018年現在)】
- 株式会社マネーパートナーズ
- QUOINE株式会社
- 株式会社bitFlyer
- ビットバンク株式会社
- SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社
- GMOコイン株式会社
- ビットトレード株式会社
- BTCボックス株式会社
- 株式会社ビットポイントジャパン
- 株式会社DMM Bitcoin
- 株式会社ビットアルゴ取引所東京
- エフ・ティ・ティ株式会社
- 株式会社BITOCEAN
- 株式会社フィスコ仮想通貨取引所
- テックビューロ株式会社
- 株式会社Xtheta
有名所で言うとビットフライヤーやテックビューロ(Zaif)、DMMやGMOといったところは登録業者として認められています。
ただ日本でも大手と言われるコインチェックは、未だにホワイトリスト入りしていません。というのも現状扱っている暗号資産の種類が多く、その中にホワイトリスト入りできない暗号資産があるという考えもよく聞きます。
ホワイトリスト入りしにくいと考えられている暗号資産は?
国内取引所の中では大手とも言われていたコインチェックですが、登録業者扱いになっていないところを見ると、取り扱っているコインの銘柄に問題があると言っても間違いではないかもしれません。
そこで今回はコインチェックが取り扱っている銘柄の中で、ホワイトリスト入りしていないコインについてまとめてみました。
【ホワイトリスト入りしていないコインチェックの取り扱い銘柄(2018年現在)】
- ファクトム(FCT)
- モネロコイン(XMR)
- オーガ(REP)
- ジーキャッシュ(ZEC)
- ダッシュ(DASH)
コインチェックが登録業者扱いできないのは、この5種の暗号資産の中にホワイトリストされない銘柄があるからと言われています。
中でもよく言われるのはXMRやZEC、DASHなどの匿名性のある通貨です。
この3種の通貨はBTCと同じように送金目的で利用される銘柄なのですが、匿名性のある通貨となっているため「問題視されているのでは?」と世間では懸念されています。
本来は暗号資産で取引した記録はブロックチェーン上に残り、不特定多数の人がその記録を見ることが可能です。そのためプライバシーを守った取引をできるように匿名性のある暗号資産も作られ始めたのですが、XMRやZEC、DASHなどの通貨は匿名性があるぶん、犯罪に使われやすいという懸念もはらんでいます。
闇市場でしかできない取引をブロックチェーン上で行うことが出来るため、犯罪を助長するという見方もあるのです。
そういったデメリットから匿名性のある通貨は日本で認められにくく、ホワイトリスト入りしにくいと考えられています。
暗号資産のホワイトリストに入らないコインは危険?
「じゃあホワイトリスト入りしていないコインは危険なの?」
匿名性のある暗号資産など、ホワイトリスト入りしていないコインが危険かと言ったらそうではありません。
実際にXMRやZEC、DASHは匿名性のある通貨ながらも、時価総額で見るとランク上位に入っています。時価総額は毎日変更はありますが、2018年2月現在でDASHは11位にはランクインしている通貨です。
犯罪に使われるリスクを懸念して、取り扱いを禁止する国が増えれば、自然と淘汰されていくかもしれませんが、匿名性だからこそ出来るメリットがあれば、今後も需要のあるコインとなるかもしれません。
暗号資産市場はまだまだ始まったばかりですので、急にいなくなることもあれば、ホワイトリスト入りしていないぽっと出のコインが暴騰してランク10位以内に入ることもあります。
確かにホワイトリスト入りしているコインに絞って投資したほうが、ある程度の安心感はありますが、ホワイトリスト入りしていないからといって危険度が高いわけではありませんので、自分で調べて将来性を感じる銘柄に投資するのが一番良いでしょう。
ホワイトリスト入りが決まったコインは暴騰する傾向にある
暗号資産の取引業者ではたまに取扱銘柄を新規に増やすことがあります。
取引できる銘柄が増えることから「上場」とも言われていますが、ホワイトリスト入りしている登録業者が新しい暗号資産を上場させるということは、新たにホワイトリスト入りする通貨が増えるということです。
最近だと2018年1月にビットフライヤーがリスク(LSK)を上場させたことで、ホワイトリスト入りした通貨が1つへ増えました。
ホワイトリストを1つの安全指標と考えている人も少なくない中で、もともとホワイトリスト入りしていなかったリスク(LSK)は、ビットフライヤーが上場させたことにより2200円台から3600円台まで暴騰しました。だいたい1.6倍も値段がついています。100万円投資していたら160万円になっているところです。
リスクはもともと期待値の高いコインの1つではあったのですが、ホワイトリスト入りしたことで、人気に火がついたといえるでしょう。また暗号資産は上場するだけでも高騰はしますが、上場に加えてホワイトリスト入りしたというのもあり、これほど高値をつけたともいえます。
ホワイトリスト入りするからと言って、必ず暴騰するわけではありませんが、高騰する可能性は高いです。ホワイトリスト入りは国が取り扱いを認めたコインという扱いになりますので、今後に期待して買いは増えるのです。
ホワイトリスト入りしそうな通貨があったら、宝くじ感覚で少額入れているのも良いかもしれません。
改正資金決済法により取引できない取引所もある
改正資金決済法が2017年4月から施行され、2017年10月までに取引所は登録しなければ、暗号資産交換業を運営できません。
ちなみに9月中に申請した場合は2ヶ月間の猶予が与えられますので、11月までに登録を済まさなければいけないです。
このように一昔前は法整備の全くない市場でしたが、現在では国もしっかり整備を進めています。昔は詐欺まがいのコインが横行しており、無法地帯となっていましたが、少しずつ安全に取引できるよう法整備も整ってきているのです。
まだ完全とはいえませんが、今後は取り扱える銘柄もだいぶ絞れてきて、取り扱い禁止となる銘柄が出てきてもおかしくありません。比較的に安全な投資をしたい場合はそれで良いのですが、暗号資産は法整備が進んでいないぶん、ボラリティが大きいのも特徴の1つです。
ハイリスクハイリターンな投資をしたいのであれば、今のうちにホワイトリスト入りしていないコインから将来性のあるコインをいくつか選んで投資してみるのも良いかもしれません。